広島市立大学 情報科学部は「情報」で決まる|後期は900点中500点【入試対策】

広島市立大学 情報科学部は「情報」で決まる|後期は900点中500点【入試対策】

※本記事は 2026 年 8 月時点の公開情報(2027 年度入学者選抜要項)をもとに作成しています。出願前に必ず広島市立大学の最新の学生募集要項をご確認ください。

共通テスト「情報Ⅰ」の配点が高い大学を探すと、必ず行き着くのが広島市立大学 情報科学部です。

結論から言うと、後期日程は共通テスト「情報Ⅰ」200 点+個別試験「情報」300 点=総合 900 点中 500 点(約 56%)
総合点の半分以上が「情報」で決まる、全国でも極めて珍しい入試です。
しかも個別試験として「情報」の筆記試験を課す国公立大は、全国でも数えるほどしかありません。

この記事では、2027 年度入学者選抜要項をもとに、前期・後期の配点、個別試験「情報」の出題範囲、そして備後圏(福山・府中)からめざす場合の対策の進め方を解説します。

広島市立大学 情報科学部とは

情報工学科・知能工学科・システム工学科・医用情報科学科の 4 学科体制(入学定員 210 名)です。
募集は学部一括で行われ、学科への配属は本人の希望と 1 年次の成績により 2 年次進級時に決まります。
入学後に専門を選べるので、「情報系に進みたいが分野はまだ絞れていない」という人にも向いています。

募集人員は、前期 115 名・後期 35 名・総合型 10 名・学校推薦型 50 名(市内 25・全国 25)です。

(出典:広島市立大学「2027年度入学者選抜要項」、2026 年 8 月 4 日確認。以下の配点・試験内容も同要項による)

前期日程:共テの 25% が情報Ⅰ

教科

配点

数学(数ⅠA+数ⅡBC)

200

理科(物理・化学・生物から 1)

200

情報(情報Ⅰ)

200

外国語

200

個別試験:数学(数Ⅰ〜Ⅲ・A・B・C、120 分)

400

共通テスト 800 点のうち 200 点(25%)が情報Ⅰ。
個別試験(数学 400 点)を含めた総合 1,200 点でも約 17% を占めます。
国語・地歴公民は不要の 4 教科 5 科目型で、情報Ⅰは英語・理科と同じ重みです。
なお、個別試験の数学は、数Ⅰ・Ⅱ・Ⅲは全範囲、数Aは「図形の性質」「場合の数と確率」、数Bは「数列」、数Cは「ベクトル」「平面上の曲線と複素平面」からの出題です。

後期日程:「情報」だけで総合点の約 56%

教科

配点

数学(数ⅠA+数ⅡBC)

200

情報(情報Ⅰ)

200

外国語

200

個別試験:情報(情報Ⅰ、90 分)

300

共通テスト 600 点+個別試験 300 点=総合 900 点。このうち「情報」関連は 500 点(約 56%)です。

「英語や理科では勝負しきれないが、情報Ⅰなら誰にも負けない」という受験生にとって、これほど相性のよい国公立入試は他にほぼありません。前期で別の大学に挑戦しつつ、後期で情報Ⅰを武器に広島市立大を押さえる出願戦略も組めます。

個別試験「情報」の出題範囲

要項には次のように明記されています。

情報Ⅰの全範囲(「情報社会の問題解決」、「コミュニケーションと情報デザイン」、「コンピュータとプログラミング」、「情報通信ネットワークとデータの活用」)から出題します。ただし、「コミュニケーションと情報デザイン」については「情報のデジタル化」の範囲から出題します。

情報デザインのうちデザイン論的な単元は除外され、デジタル化・プログラミング・ネットワーク・データ活用という「理系寄りの情報Ⅰ」が中心です。
共通テストより深い理解を前提とした出題が想定されるため、過去問(大学公式サイトに掲載)で形式を必ず確認してください。
個別試験「情報」は 2025 年度後期から実施されているため過去問がすでにあり、大学は模擬問題 A・B と「出題意図と解答例」も公開しています。

総合型・学校推薦型でも「情報の実績」が評価される

区分

選抜方法

総合型選抜(10 名)

1 次:活動報告書・志願理由書(各 50 点)→2 次:面接+口頭試問(各 100 点)。共テ不要

学校推薦型選抜(50 名)

総合問題(数学・読解中心、200 点)+面接・出願書類(200 点)。共テ不要

総合型選抜の 1 次選考では、「高校生による情報科学自由研究」への取組やアルゴリズム・プログラムの作成など、情報工学に関する主体的な活動実績が評価対象として例示されています。
2 次選考の口頭試問では、自分のプレゼンで述べた情報工学・情報科学の用語や話題について深掘りされます。普段から手を動かして作っている人ほど有利な選抜です。

なお、総合型・学校推薦型はいずれも「合格した場合に入学を確約できる者」が出願資格(専願)です。
学校推薦型は 2026 年 4 月 1 日以降に卒業(見込み)の者が対象で、市内公募は「2026 年 4 月 1 日以前から引き続き広島市内に在住」が要件、推薦人数は 1 校につき市内公募 2 名・全国公募 2 名までです。
福山市立大学と異なり、情報科学部の学校推薦型に評定平均 4.0 以上のような成績要件はありません。

備後圏からめざす場合の対策ロードマップ

高 1・高 2

  • 数学(特に数ⅡBC までの基礎)と情報Ⅰの授業を大切にする
  • プログラミングは実際に書いて動かす習慣をつくる(総合型選抜の実績にもなる)

高 3 の夏〜秋

  • 共通テスト「情報Ⅰ」を得点源科目と位置づけ、プログラミングとデータ活用を集中的に演習する
  • 後期受験を視野に入れるなら、共テ対策と並行して記述・説明できるレベルの理解まで深める(個別試験対策)

共テ後(1〜3 月)

  • 自己採点の結果、情報Ⅰ・数学の得点比率が高ければ後期出願を前向きに検討
  • 個別試験「情報」(3 月 12 日)まで約 2 ヶ月あるので、過去問と情報Ⅰの総復習で仕上げる

情報Ⅰの学習法の全体像は情報I(共通テスト)対策の塾の選び方を、地元・福山の新設学部については福山市立大学 情報工学部の記事(公開後にリンク挿入)をご覧ください。

よくある質問

Q1.個別試験の「情報」は共通テストと何が違いますか?

出題範囲はどちらも情報Ⅰですが、個別試験は大学独自の出題(90 分・300 点)です。
共通テスト形式のマーク演習だけでなく、用語や仕組みを自分の言葉で説明できる深さまで理解しておくことをおすすめします。過去問は大学公式サイトで確認できます。

Q2.情報科学部はどの学科を選んで出願するのですか?

募集は学部一括です。学科配属は 2 年次進級時に本人の希望と 1 年次の成績で決まります。

Q3.後期は倍率が高いと聞きます。狙う価値はありますか?

国公立後期は一般に倍率が上がりますが、ここは「情報」で 500/900 点を取れる特殊な配点です。情報Ⅰを極めた受験生にとっては、倍率以上に「相性」が勝敗を分けます。情報Ⅰに自信があるなら、有力な選択肢です。

Q4.2027 年度の配点は確定ですか?

本記事は 2026 年 7 月公表の「2027 年度入学者選抜要項」に基づいています。詳細の確定版である一般選抜学生募集要項は 2026 年 11 月下旬公表予定のため、出願前に必ず最新版を確認してください。

まとめ

  • 広島市立大学 情報科学部の後期は共テ情報Ⅰ 200 点+個別「情報」300 点=総合 900 点中 500 点(約 56%)
  • 前期も共テ 800 点中 200 点(25%)が情報Ⅰ。国語・地歴公民不要の理系型
  • 個別試験「情報」は情報Ⅰの全範囲(情報デザインはデジタル化のみ)から出題、90 分
  • 総合型・推薦でも情報工学の活動実績・口頭試問が評価される
  • 情報Ⅰを極めること自体が、この大学への最大の受験戦略になる

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野澤嘉孝

この記事を書いた人

野澤 嘉孝

ソフトウェアエンジニア。同志社大学理工学部を経て、京都大学大学院で核融合発電の基礎研究(プラズマ物理)に従事。在学中は高校生向け数学塾の講師を、大学院では大学生に対して物理実験の授業を担当し、延べ500名以上の学生をサポート。現在は業界特化型SaaSの開発に携わりながら、中高生向けプログラミングスクール Sandbox(サンドボックス)の運営を行う。

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