公開

パソコンの中身と仕組み|五大装置・CPU・メモリとストレージを解説

文:野澤 嘉孝 (ソフトウェアエンジニア/プログラミングスクール Sandbox 代表)

パソコンの中身と仕組み|五大装置・CPU・メモリとストレージを解説

この記事の概要

パソコンの中を開けたら、いつも遊んでいるゲームはどこにあるのでしょう? CPU? メモリ? それともSSD? 答えのカギは、部品の役割と、そこに保存されるプログラムの違いです。部室のパソコンをのぞきながら、仕組みを整理しましょう。 先に結論:パソコンは役割分担で動く

パソコンの中を開けたら、いつも遊んでいるゲームはどこにあるのでしょう? CPU? メモリ? それともSSD?

答えのカギは、部品の役割と、そこに保存されるプログラムの違いです。部室のパソコンをのぞきながら、仕組みを整理しましょう。

先に結論:パソコンは役割分担で動く

  • CPU=処理する係。 命令に従い、計算・比較や各装置への指示を行う。
  • メモリ=作業机。 使用中のプログラムやデータを一時的に置く。
  • ストレージ=本棚。 プログラムやファイルを保存する。SSD・HDDなどがある。
  • ハードウェア=物理的な機器、ソフトウェア=プログラムなど。 ゲームはソフトウェアで、部品が協力して動かす。

この役割分担を、入力・記憶・演算・制御・出力に整理したものが「五大装置」です。

部室のパソコンが「手術中」だった

放課後、プログラミング部の扉を開けたユウキが見たのは、側面のカバーを外された古いパソコンでした。

テッパン先輩「いま、手術中」
ユウキ「パソコンって、開けて大丈夫なんですか?」
テッパン先輩「中身を知らないまま使うほうが、こわくない?」
Sandy「ちょお待ちぃ! いきなり触ったらあかん!」

先輩はすでに電源を切り、電源コードも抜いています。ここは先輩の管理下で中身を観察する場面。この記事は分解の手順ではありません。

机に並ぶのはCPU、メモリ、ストレージなど。名前だけなら聞いたことがある。でも、ゲームを動かすとき、それぞれが何をしているのでしょう。

五大装置は、部品の数ではなく「働き」の分類

コンピュータの基本的な働きを、入力装置・記憶装置・演算装置・制御装置・出力装置の五つに整理したものが「五大装置」です。部品の個数ではなく、何をするかで分類します。

働き

何をするか

身近な例

入力

外部からデータや指示を取り込む

キーボード、マウス、マイク

記憶

命令やデータを保持する

主記憶、補助記憶

演算

計算や比較などを行う

CPUの演算の働き

制御

命令を解釈し、各装置の動作を指示する

CPUの制御の働き

出力

処理の結果を外部へ伝える

ディスプレイ、スピーカー

五大装置は役割の分類なので、一台の機器が複数の働きを担うこともあります。

五大装置のデータの流れと、制御装置から各装置への制御の関係

五大装置は、物理的な部品の数ではなく働きの分類。

たとえばタッチパネル。画面に文字を表示する部分は出力、指の接触を検知する部分は入力です。「見た目が一枚の板だから、分類も一つ」とは限りません。

たとえばゲームでジャンプするときは、次のように役割を当てはめられます。

  • 入力: ジャンプボタンが押されたことを取り込む。
  • 記憶: キャラクターの位置や、ジャンプの処理に必要な命令・データを保持する。
  • 演算: 次の位置を計算したり、足場に着いたかを比較したりする。
  • 制御: 命令を解釈し、必要な処理を進めるよう各装置に指示する。
  • 出力: ジャンプしたキャラクターを画面に表示する。

五つは実行順の番号ではありません。処理の間、記憶や演算を繰り返し使い、制御が動作を指示します。

CPUとGPUは何をしている?

CPUはCentral Processing Unitの略で、中央処理装置と呼ばれます。命令を解釈して処理を進める制御の働きと、計算・比較などの演算の働きを担います。

ユウキ「CPUが脳なら、ほかの部品は待っているだけ?」
テッパン先輩「仕事は一人じゃ終わらない」
Sandy「部活でも全部先輩任せにしたらあかんやろ」

CPUだけあっても、入力も記憶も出力もそろいません。「頭脳」という比喩は入口として便利ですが、コンピュータ全体の処理はほかの装置との協力で成り立ちます。

GPUは、多くの計算を並列に進める処理を得意とする装置です。画像処理だけでなく、AIの計算などにも使われます。独立した部品になっているものも、CPUと同じ部品に統合されているものもあります。

CPUとGPUは担当の特徴が異なり、必要な命令やデータをやり取りして協調します。

CPUは制御と演算、GPUは大量の並列計算を得意とする比較図

CPUとGPUは役割の特徴を生かして協調する。

ゲームでいえば、CPUは操作に応じた処理や当たり判定などを担当し、GPUは画面を描くための大量の計算を担当します。GPUも演算に関わる装置で、「五大装置の六つ目」ではありません。

なお、マザーボードは、CPUやメモリなどを接続する基板です。

メモリとストレージの違いは、作業机と本棚

どちらもデータを置くのに、なぜ二つあるのでしょう。一般的なパソコンのメモリとストレージは、使う目的や性質が違います。

比較

メモリ(主記憶として使うRAM)

ストレージ(補助記憶)

主な役目

使用中の命令やデータを置く

プログラムやファイルを保存する

比喩

作業机

本棚

電源を切った場合

通常、内容を失う

内容を保持する

例

パソコンのRAM

SSD、HDD

アプリを使うときに必要な内容を広げる場所がメモリ、あとでまた使えるよう保存しておく場所がストレージです。

RAMは使用中の作業場所、SSDやHDDは電源断後も保持する保存場所

一般的なパソコンのRAMと補助記憶を比較。

ここでの「メモリ」は、一般的なパソコンの主記憶に使うRAMのことです。USBメモリなど、電源を切っても内容が残る記憶媒体とは区別しましょう。SSDやHDDも故障することはあるので、大切なファイルはバックアップが必要です。

ユウキ「机が広ければ、どんな作業も一瞬ですか?」
Sandy「広い机でも、宿題は勝手に終わらへんで」

メモリ容量が不足すると、ストレージとのデータの出し入れが増え、動作が遅くなることがあります。ただし速度にはCPU、ストレージ、ソフトウェアの処理内容なども関わります。「メモリが多いほど、必ず何でも速い」とは言い切れません。

「開く」と「保存する」で、二つの場所をつなぐ

保存した文書を開く場面を考えましょう。ストレージにあるファイルの必要な内容がメモリへ読み込まれ、編集中の処理に使われます。変更を保存すると、保存先へ書き込まれます。

開くときは必要な内容を読み込み、保存するときは変更を保存先へ書き込む、と考えると役割が整理できます。

実際にはOSやキャッシュなどが仲介する簡略モデル。

たとえば、保存済みの作文に一文を付け足しても、保存が完了する前に電源が切れると、その一文を失う場合があります。「画面に見えている」と「保存できている」は別なのです。

実際にはOSなどが読み書きを管理し、必要な部分だけを読み込む場合もあります。自動保存を使っている場合も、保存が完了しているか確認しましょう。

ハードウェアとソフトウェア、OSの役割

CPU、メモリ、SSD、キーボードなど、物理的な機器がハードウェアです。これに対し、コンピュータを動かすプログラムや、それに関わるデータなどがソフトウェアです。

SSDはハードウェアですが、その中に保存されたゲームのプログラムはソフトウェア。同じ「ゲームが入っている」という表現でも、入れ物と中身は区別します。

覚えるなら、「入れ物のSSDはハード、中身のゲームはソフト」。触れるかどうかより、物理的な機器か、プログラムなどの内容かで考えると確実です。

OS(Operating System)は、CPUやメモリなどの資源、ファイル、入出力などを管理する基本ソフトウェアです。ゲームや文書作成ソフトなどのアプリケーションが機器を利用するための仕組みも提供します。

アプリケーション、OS、ハードウェアの関係を見ると、画面の裏で誰が仕事を支えているかが分かります。

アプリケーションをOSとハードウェアが支える関係

OSは資源やファイル、入出力などを管理する。

アプリが動く土台をプラットフォームと呼びます。文脈により、OSやハードウェア、ブラウザーなどを指します。アプリに「対応OS」「動作環境」が書いてあるのは、動かすための土台に条件があるからです。

結局、ゲームはどこにある?

ユウキ「じゃあ、この中のどれがゲームなんですか?」
テッパン先輩「無いよ、そんな部品」

ゲームのプログラムや画像・音などのデータは、通常ストレージに保存されています。起動すると必要な内容がメモリに読み込まれ、CPUが命令に従って処理し、GPUなども協力して映像を作ります。入力機器で操作し、ディスプレイやスピーカーで結果を受け取ります。

つまりゲームは、一個の「ゲーム部品」ではなく、ソフトウェアとさまざまなハードウェアの連携で動くのです。

ここで説明したのは、OSが動いているパソコンでゲームを起動する場面です。パソコン自体の電源を入れてOSを起動する流れとは区別しましょう。

部品を戻したパソコンが起動すると、ユウキの前には入部届が。中身のつながりが少し分かったところで、シーズン3のプログラミング部が始まります。

理解を確認するオリジナル問題

以下はこの記事用の学習問題です。実際の共通テストの問題ではありません。

問1:タッチパネルを「出力装置だけ」とする説明は適切?

適切ではありません。表示は出力ですが、接触位置を取り込む機能は入力です。機器の見た目ではなく、何をしているかで分類します。

問2:文書を編集できていれば、保存前に電源が切れても変更は必ず残る?

必ず残るとはいえません。使用中の内容がRAMにあっても、保存先への書き込みが完了していなければ、電源断で変更を失う場合があります。自動保存がある場合も、保存状態の確認が必要です。

問3:「ゲームはSSDというハードウェアそのものだ」という説明を直そう。

「ゲームのプログラムやデータはソフトウェアで、SSDなどのストレージに保存される」が適切です。動作時にはメモリやCPU、入出力機器なども協力します。保存する物理的な機器と、保存される内容を分けるのがポイントです。

今回の要点

  • 五大装置は、入力・記憶・演算・制御・出力という働きの分類。
  • CPUは制御と演算を担い、ほかの装置と協力する。
  • 一般的なRAMは作業場所、SSD・HDDは保存場所。
  • ハードウェアは物理的な機器、ソフトウェアはプログラムなどの内容。
  • OSは資源などを管理し、アプリが動く土台を支える。

身近なスマートフォンでも、「入力したものがどう処理され、どこから出力されるか」を一つたどってみましょう。Sandboxの情報Ⅰサバイバルでも、こうした身近な疑問を手がかりに学習を進めていきます。

参考資料

あわせて読みたい記事

Sandboxのサポート内容 Sandboxの情報Ⅰ学習サポートを見る →
共通テスト情報Ⅰのまとめ 共通テスト「情報Ⅰ」対策シリーズの一覧を見る →
野澤 嘉孝

この記事を書いた人

野澤 嘉孝

ソフトウェアエンジニア/プログラミングスクール Sandbox 代表

ソフトウェアエンジニア。同志社大学理工学部を経て、京都大学大学院で核融合発電の基礎研究(プラズマ物理)に従事。高校生向け数学塾の講師、大学での物理実験の授業を通じて延べ500名以上の学生をサポート。現在は業界特化型SaaSの開発に携わりながら、小中高生向けプログラミングスクール Sandbox を運営。

プロフィールと執筆記事の一覧 →

「情報Ⅰ、うちの子はどう対策すればいい?」

情報Ⅰ対策について無料で相談する

志望校の配点を一緒に確認したい方は → 無料の学習相談へ

入会金無料・いつでも退会OK・退会後もいつでも再入会できます