プログラミング教室をやめた理由——教室の代表が「やめて正解」のケースを正直に解説します

プログラミング教室をやめた理由——教室の代表が「やめて正解」のケースを正直に解説します

「プログラミング教室、そろそろやめようかな」

そう思い始めている親御さんは、きっと少なくないと思います。

子どもが楽しそうだから始めたのに、最近は行きたがらない。月謝を払い続けているが、何が身についているのかわからない。受験も近づいてきて、習い事を整理しないといけない。

理由はさまざまでも、共通しているのは「このまま続けて意味があるのか?」という疑問ではないでしょうか。

この記事を書いている私は、中高生向けプログラミング教室の代表であり、現役のソフトウェアエンジニアです。教室を運営している立場からすると、本来は「やめないでください」と言うべきなのかもしれません。

でも、正直に言います。やめて正解なケースは実際にあります。

大事なのは「やめるかどうか」ではなく、「なぜやめたくなっているのか」の本当の原因を見極めることです。この記事では、よくある「やめた理由」の表面と本質を分けて解説し、やめるべきケースとそうでないケースの判断基準をお伝えします。

プログラミング教室をやめた理由——表面と本質

プログラミング教室をやめた理由としてよく挙がるのは、「子どもが飽きた」「月謝が高い」「子どもに合わなかった」「受験に集中したい」「送迎が大変」といったものです。

どれももっともな理由ですが、表面的な理由の裏に本質的な原因が隠れていることがあります。一つずつ見ていきます。

「子どもが飽きた」の本質

お子さんが「つまらない」「行きたくない」と言い出したとき、多くの親御さんは「うちの子にはプログラミングが向いていなかったんだ」と考えます。

しかし、ここで立ち止まって考えてほしいことがあります。お子さんが飽きたのは「プログラミング」でしょうか、それとも「その教室のカリキュラム」でしょうか。

プログラミングは本来、自分のアイデアを形にして「動いた!」という達成感を味わえる活動です。ゲームを何時間でもやれる子が、プログラミングには飽きる。それは矛盾しているように見えて、実は矛盾していません。ゲームには「クリアする達成感」がありますが、その教室のカリキュラムには「完成させる達成感」がないのかもしれません。

毎回の授業で決められた課題を少しずつ進めるだけで、何ヶ月通っても自分の作品が完成しない。これでは飽きるのが自然です。

飽きたのが「プログラミングそのもの」なのか「その教室の教え方」なのかは、見極める価値があります。

「月謝が高い」の本質

プログラミング教室の月謝は、一般的な習い事と比べると高めです。月1万円〜2万円が相場で、スイミングやピアノの2倍近くかかることもあります。

ただ、月謝が高いと感じる本当の理由は、金額そのものではないことが多いです。

学習塾なら成績で効果がわかります。スイミングなら泳げる距離が伸びたかどうかがわかります。ピアノなら発表会で上達を実感できます。でもプログラミング教室はどうでしょうか。「今月は何ができるようになったか」を、親が実感できているでしょうか。

月1万5千円を払って、子どもの手元に完成したゲームやWebサイトが残っている。友達や家族に「これ、自分で作ったんだよ」と見せている。この状態なら、同じ金額でも「高い」とは感じにくいはずです。

月謝が高いと感じるのは、多くの場合、お金の問題ではなく「成果が見えない」問題です。

「子どもに合わなかった」の本質

「うちの子にはプログラミングが向いていなかった」——この結論に至る前に、一つだけ確認してほしいことがあります。

合わなかったのは「プログラミング」ですか、それとも「その教室」ですか。

集団授業でペースについていけなかった子が、個別指導に変えたら生き生きとプログラミングを始めた。Scratchにまったく興味を示さなかった子が、ゲーム制作を始めたら夢中になった。先生との相性が悪くてやる気を失っていた子が、別の教室では積極的に質問するようになった。

こうしたケースは珍しくありません。

プログラミングの世界は広いです。ゲーム制作、Webサイト制作、ロボット制御、データ分析——入口はたくさんあります。一つの教室で合わなかったからといって、プログラミングそのものが合わないとは限りません。

「受験に集中したい」の本質

中学受験や高校受験のタイミングで習い事を整理したい。これは教室の問題ではなく、時間配分の合理的な判断です。やめる理由として完全に正当ですし、無理に続ける必要はありません。

ただ、いくつか知っておいた方がいいことがあります。

まず、すべての習い事をやめて受験勉強に全振りすることが、本当にベストかどうかは子どもによります。週に1回、1時間だけプログラミングをする時間を残した方が、かえって気分転換になって集中力が持続するタイプの子もいます。お子さん自身が「やめたくない」と言っているなら、頻度を落として続ける選択肢も検討してみてください。

次に、受験のためにやめるのか、完全にやめるのかを決めておくことが大切です。「受験が終わったら再開する」と本人が決めているなら、退会ではなく休会という形がベストです。何も決めずにやめると、受験が終わっても再開しないまま終わるケースが多いからです。

そして、少し先の話ですが、2025年から大学入学共通テストに「情報I」が必須科目として追加されました。配点は100点で、プログラミングの基本的な理解が問われます。受験のためにプログラミングをやめたのに、数年後の大学受験でプログラミングの知識が必要になる——こういう矛盾が起きうる時代になっています。今すぐ教室をやめること自体は正しい判断だとしても、プログラミングとの接点を完全にゼロにする必要はありません。

もう一つ、意外と知られていないのが、プログラミング検定が受験に活きるケースが増えていることです。プログラミング能力検定(プロ検)などの資格を持っていると、総合型選抜(旧AO入試)や推薦入試で活動実績としてアピールできる場面が出てきています。英検や漢検と同じように、客観的に証明できるスキルとして評価される流れが生まれています。

つまり、プログラミングは「受験の邪魔」ではなく「受験の武器」にもなりうるのです。教室をやめるかどうかとは別に、検定の受験だけ続けるという選択肢も知っておいて損はないでしょう。ただし、検定のためだけにプログラミングを学ぶのは本末転倒です。あくまで、学んできた成果を形にする手段として活用するのが健全だと思います。

「送迎が大変」「時間がない」

これは教室の設計の問題ではなく、物理的な制約の問題です。正当なやめる理由であり、無理して続ける必要はありません。

ただし、完全にやめてしまう前に、オンライン対応の教室に切り替えるという選択肢も検討する価値はあります。送迎の負担がなくなるだけで続けられるなら、お子さんの学びを止めずに済みます。

やめて正解のケース、もう少し続けるべきケース

ここまで読んで、「で、結局うちの場合はやめるべきなのか?」と思っている方もいるでしょう。

判断基準を明確にお伝えします。

やめて正解の3つのサイン

3ヶ月以上通って、完成した作品が1つもない。 これは教室のカリキュラムに問題がある可能性が高いです。お子さんの努力が足りないのではなく、完成させることを目標にした設計になっていないのです。この状態で通い続けても、成果が出る見込みは低いと考えてください。

子どもが「プログラミングは嫌い」と言い始めた。 「教室がつまらない」と「プログラミングが嫌い」は違います。「教室がつまらない」であれば教室を変えることで解決する可能性がありますが、「プログラミングが嫌い」にまで進行しているなら、一度離れた方がいいです。嫌悪感が固定される前にやめる方が、将来的にはプラスに働きます。

講師に質問しても解決しないことが多い。 エラーが起きた時に「もう一度最初からやってみよう」で終わる。子どもが「ここをこうしたい」と言っても「それはカリキュラムにありません」と返される。こうした対応が繰り返されるなら、その教室では成長の天井が見えています。

もう少し続けるべき2つのサイン

子どもが家でもプログラミングに触れている。 教室以外の時間に自分でScratchやMinecraftを触っている、友達に自分の作品を見せている。この状態なら、プログラミングへの興味は生きています。教室に不満はあるかもしれませんが、教室を変えることで状況が大きく改善する可能性があります。

最初の作品がもうすぐ完成しそう。 完成直前でやめるのは最ももったいないケースです。「1つ完成させた」という経験は、やめた後も子どもの中にずっと残ります。完成してからやめるのと、未完成のままやめるのでは、子どもの自己肯定感への影響がまったく違います。あと少しで完成するなら、そこまでは続ける価値があります。

やめた後にどうするか——3つの選択肢

教室をやめたら、プログラミングも終わり。そう思い込む必要はありません。やめた後の選択肢は3つあります。

選択肢A:独学で続ける

今は無料で質の高い学習教材が豊富にあります。Scratch、Progate、ドットインストール、YouTubeの解説動画——どれも子どもが一人で始められるものです。

自分でどんどん進められるタイプのお子さんには、教室よりもこちらの方が合っているかもしれません。

親ができるサポートはシンプルです。定期的に「最近何を作ったの?」と聞いてあげてください。完成した作品を一緒に見て、感想を伝える。それだけで子どものモチベーションは維持できます。

選択肢B:別の教室を探す

もし別の教室を探すなら、前の教室で合わなかった原因を特定してから探すことが大切です。

完成物がなかったなら、「作品を完成させるカリキュラムかどうか」を確認する。Scratchに飽きていたなら、テキストコーディング(JavaScript、Pythonなど)を教えている教室を選ぶ。講師と合わなかったなら、現役エンジニアが教えている教室を選ぶ。

体験授業では、「生徒の作品を見せてもらえますか?」と聞いてみてください。この一言で、その教室が完成物を出せるカリキュラムかどうかがわかります。

選択肢C:しばらく離れる

これも立派な選択です。

今はプログラミングに興味がなくても、高校や大学で出会い直すケースは珍しくありません。私自身、プログラミングに本格的にのめり込んだのは大学に入ってからです。

大切なのは、子どもの中に「プログラミング=嫌なもの」という記憶が残らないうちにやめることです。嫌いになる前に離れれば、将来またやりたくなった時に心理的なハードルがありません。無理に続けさせて嫌いにさせることの方が、長期的にはずっとリスクが大きいのです。

教室運営者として、やめていった子の親御さんに伝えたいこと

最後に、教室を運営する立場としての本音を書かせてください。

教室を運営していれば、やめていく子は必ずいます。すべての子に合う教室は存在しないと、私自身が一番よくわかっています。

もし、やめた理由が教室のカリキュラムや講師の質に原因があったとしたら、それは教室側の責任です。お子さんのせいでも、親御さんの選択が間違っていたわけでもありません。

「やめる」という判断をしたこと自体が、お子さんのことを真剣に考えている証拠だと思います。

プログラミングとの出会い方は一つではありません。教室でなくても、独学でも、友達との遊びの中でも、将来の仕事の中でも、出会い直す機会はあります。

「やめた=失敗」ではありません。合わないものを見極めて、次に進む。その判断力こそ、子どもに身につけてほしい力の一つではないでしょうか。

まとめ

プログラミング教室をやめた理由の多くは、子どもの能力の問題ではなく、教室の設計に原因があります。

やめること自体は悪い判断ではありません。ただし、「プログラミングが嫌い」になってしまう前にやめるのがベストです。

やめた後の選択肢は、独学で続ける、別の教室を探す、しばらく離れる、の3つ。どれを選んでも正解です。お子さんの様子を見ながら、無理のない形でプログラミングとの接点を持ち続けられれば理想的ですが、それすらも「今は必要ない」と判断するなら、それでいいのです。

最後に

もしプログラミング教室選びをやり直すなら、Sandboxの体験授業を体験してみてください。

Sandboxは入会金無料です。そして、一度やめても、いつでも戻ってきてOKです。受験で一時離脱しても、受験が終わってから「またやりたい」と思ったタイミングで、追加費用なく再開できます。「やめたら終わり」にしない。それが私たちの考え方です。

野澤嘉孝

この記事を書いた人

野澤 嘉孝

ソフトウェアエンジニア。同志社大学理工学部を経て、京都大学大学院で核融合発電の基礎研究(プラズマ物理)に従事。在学中は高校生向け数学塾の講師を、大学院では大学生に対して物理実験の授業を担当し、延べ500名以上の学生をサポート。現在は業界特化型SaaSの開発に携わりながら、中高生向けプログラミングスクール Sandbox(サンドボックス)の運営を行う。

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