中学生のプログラミングの始め方|保護者が知っておきたい学習ステップと無料教材

中学生のプログラミングの始め方|保護者が知っておきたい学習ステップと無料教材

「子どもにプログラミングを学ばせたいけれど、何から始めればいいのかわからない」——そんな悩みを抱えている保護者の方は少なくありません。

2021年度から中学校の技術・家庭科でプログラミングが必修化され、授業ではネットワークを活用した双方向的なプログラミングが求められるようになりました。学校の授業だけでは不十分に感じたり、もっと早い段階から慣れさせておきたいと考えるご家庭も増えています。

この記事では、プログラミングに詳しくない保護者の方に向けて、中学生のお子さんが無料で・自宅で・独学で始められる具体的なステップをご紹介します。

なぜ今、中学生にプログラミングが求められているのか

学校教育の変化

中学校では2021年度の学習指導要領改訂により、技術・家庭科の「情報の技術」領域でプログラミングが必修になりました。以前はソフトウェアを使った一方向的な内容が中心でしたが、現在は「ネットワークを利用した双方向性のあるコンテンツのプログラミング」が求められています。コードを書くだけでなく、実際に動くものを作りながら問題解決に取り組む力が重視されるようになったのです。

将来の選択肢を広げる

プログラミングを学ぶことは、エンジニアになることだけを意味しません。論理的に考える力、問題を分解して解決する力、試行錯誤を重ねる忍耐力——これらはどんな職業にも活きるスキルです。

また、2025年度の大学入学共通テストから「情報I」が新たな出題教科として加わりました。中学生のうちにプログラミングの基礎に触れておくことで、高校の「情報I」の授業にもスムーズに対応でき、受験に向けた土台を早めに築くことができます。

始める前に決めておきたい2つのこと

1. 学ぶ目的をざっくり決める

「ゲームを作ってみたい」「Webサイトを作りたい」「ロボットを動かしたい」など、お子さんが興味を持てるゴールを設定してみてください。目的がはっきりしていると、どの言語やツールを選ぶかが決まりやすくなり、途中で挫折しにくくなります。

最初から完璧な目標でなくて構いません。「ゲームが好きだから、簡単なゲームを作ってみようか」——その程度で十分です。

2. 学習環境を整える

必要なものはパソコンとインターネット環境だけです。スマートフォンやタブレットでも一部の学習は可能ですが、コードを書く作業にはパソコンが適しています。高性能である必要はなく、Webブラウザがスムーズに動くスペックがあれば問題ありません。

中学生がプログラミングを始める3ステップ

ここからが本題です。おすすめの進め方を3つのステップに分けてご紹介します。

ステップ1:Scratchで「プログラミングの考え方」に慣れる

最初のステップとしておすすめなのが、Scratch(スクラッチ) です。

Scratchはマサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボが開発した教育用プログラミング言語で、文部科学省も推奨しています。ブロックを組み合わせてプログラムを作る仕組みなので、英語のコードを一から書く必要がなく、直感的に操作できます。

Scratchのよいところは、とにかく「動くものがすぐ作れる」こと。キャラクターを動かしたり、簡単なゲームを作ったりしながら、「順番に処理する(順次)」「条件で分岐する(条件分岐)」「繰り返す(ループ)」といったプログラミングの基本的な考え方を自然に身につけられます。

ブラウザ上で完全無料で使えるため、ソフトのインストールも不要です。公式サイト(scratch.mit.edu)にアクセスすればすぐに始められます。

目安の期間: 1〜2か月、週に2〜3回・各30分程度

ステップ2:Pythonでテキストベースのプログラミングに挑戦する

Scratchでプログラミングの考え方に慣れてきたら、次はテキスト(文字)でコードを書く言語に進みましょう。中学生の入門として特におすすめなのが Python(パイソン) です。

Pythonが初心者に向いている理由はいくつかあります。まず、コードの書き方がシンプルで読みやすいこと。他の言語に比べて記号や決まりごとが少なく、英語が得意でなくても比較的取り組みやすい言語です。加えて、AI(人工知能)やデータ分析など注目の分野で広く使われているため、学んだことが将来にわたって活きてきます。

学習には無料のオンラインサービスが活用できます。たとえば「Progate」はスライド形式の教材でブラウザからすぐに始められますし、「ドットインストール」は3分の短い動画で手軽に学べます。いずれも環境構築が不要なので、つまずきやすい初期設定をスキップしてコードを書くことに集中できます。

エラー(プログラムの間違い)が出ても慌てないでください。エラーメッセージをよく読むと「何行目に問題があるか」が書いてあることが多いので、それを手がかりに修正する——この「デバッグ」の作業も、プログラミングの大事なスキルの一つです。

目安の期間: 2〜3か月、週に2〜3回・各30分〜1時間

ステップ3:小さな作品を自分で作ってみる

基本的な文法を学んだら、ぜひ「何か一つ、自分の作品を作る」ことに挑戦してみてください。たとえば、簡単なクイズゲーム、じゃんけんプログラム、お気に入りの本を記録するアプリなど、小さなもので十分です。

自分で考えて、作って、動かす——この体験が「プログラミングって面白い」という実感につながり、学習を続けるいちばんのモチベーションになります。完成した作品を家族に見せたり、Scratchのコミュニティで公開したりすれば、お子さんの達成感はさらに高まるはずです。

目安の期間: 1〜2か月(作品のアイデアが浮かんだら、いつでも取り組んでOK)

おすすめの無料教材・学習サイト4選

中学生が独学で使える、無料または一部無料の教材を厳選してご紹介します。

Scratch 公式サイト

ステップ1で紹介したビジュアルプログラミング環境です。日本語に対応しており、世界中のユーザーが公開した作品を見て学ぶこともできます。完全無料。 URL:https://scratch.mit.edu

Progate(プロゲート)

スライド形式の教材で基礎を学び、そのままブラウザ上でコードを書いて練習できるサービスです。環境構築が不要で、すぐに始められる手軽さが魅力。基礎レッスンは無料で利用できます(一部有料コースあり)。 URL:https://prog-8.com

ドットインストール

3分程度の短い動画でプログラミングを学べるサービスです。Python入門コースもあり、動画を見ながら手を動かすスタイルが好きなお子さんに向いています。一部無料。 URL:https://dotinstall.com

Paizaラーニング

動画講座と演習問題がセットになった学習サービスで、Python入門コースが充実しています。ブラウザ上でコードを実行できるため、環境構築の手間がかかりません。 URL:https://paiza.jp/works

保護者ができるサポートのコツ

プログラミングに詳しくなくても、保護者の方にできることはたくさんあります。

「教える」より「一緒に楽しむ」

お子さんが作ったものを見せてもらい、「これどうやって動いてるの?」と聞いてみてください。人に説明すること自体が深い学びにつながりますし、「見てもらえている」という実感がやる気を支えます。

挫折しそうなときは「環境」を変える

同じ教材で行き詰まったら、別の学習サイトに切り替えたり、一度Scratchに戻って気楽に遊んでみたりするのも有効です。プログラミングはエラーとの戦いでもあるので、「うまくいかないのが普通だよ」と伝えてあげてください。

学習のペースはお子さん次第

毎日やる必要はありません。週に数回、短い時間でも継続できれば十分です。テスト期間中はお休みしても構いませんし、楽しいと思えるペースで続けることがいちばん大切です。

まとめ

中学生がプログラミングを始めるなら、次の3ステップがおすすめです。

  1. Scratch でプログラミングの考え方に慣れる
  2. Python でテキストベースのコーディングに挑戦する
  3. 小さな作品を自分の手で作ってみる

無料の教材やサービスが充実している今、特別な準備がなくても自宅で気軽にスタートできます。保護者の方が「教える役割」を担う必要はありません。お子さんの興味に寄り添い、学ぶ環境を整えてあげるだけで十分です。

まずは今日、お子さんと一緒に Scratch を開いてみるところから始めてみませんか?

野澤嘉孝

この記事を書いた人

野澤 嘉孝

ソフトウェアエンジニア。同志社大学理工学部を経て、京都大学大学院で核融合発電の基礎研究(プラズマ物理)に従事。在学中は高校生向け数学塾の講師を、大学院では大学生に対して物理実験の授業を担当し、延べ500名以上の学生をサポート。現在は業界特化型SaaSの開発に携わりながら、中高生向けプログラミングスクール Sandbox(サンドボックス)の運営を行う。

"自分で作れた"が生まれるスクール、Sandbox

Sandboxについて詳しく見る > すぐに相談したい方は → 無料面談に申し込む まずは気軽に → Peatixで無料体験イベントを見る(オンライン・無料)

入会金無料・いつでも退会OK・退会後もいつでも再入会できます